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中リスクの資産運用
- 資産運用に少し慣れて来た方のために、ある程度リスクは高いもののある程度収益が見込める資産運用法を紹介します。ここで紹介しているものは、投資額の範囲内でしか損失を受けないものですので、投資額以上に損失を被ることはありません。
転換社債
転換社債とは、株式に転換可能な社債のことをいいます。最近では、「転換社債型新株予約券付社債」とも呼ばれます。
- 転換社債は、社債でありながらいつでも好きな時に一定の株式と交換できる(転換できる)ことが特徴です。
- 「いつでも好きな時に一定の株式と交換できる」という特徴は投資家にとっては大きなメリットとなります。
通常の社債の場合、企業の業績が好調に推移し、株価が上昇したとしても当初に約束した一定の利息しか受け取ることができません。ところが、転換社債の場合には、株式と交換したうえで売却することで株価上昇による利益を享受することができるのです。
一方で、通常の株式の場合、企業の業績が不調の場合は配当が得られないばかりか出資額が全額償還されないおそれさえあるのです。ところが、転換社債の場合には社債として保有している限り一定の利息は得られます。また、倒産した場合、たとえ元本全額は償還されなくても、株式に比べれば優先的に払い戻しを受けることがで可能です。
- このように、株価が上昇したときには株式と交換した上で売却をすれば大きな利益をあげることができる一方で、株価が上昇しなかったときには社債のままで満期まで保有してれば元本の償還を受けることができることが転換社債のメリットです。
つまり、株式と社債のいいとこどりをしていることになるのです。転換社債の値動き・リスクという面からとらえると、ちょうど株式と社債の中間くらいということになりますね。
- では、転換社債を購入することのデメリットは何か?というと、普通の社債に比べると利息が少ない(ゼロの場合もある)
各転換社債ごとに発行条件が違うため、安易に購入・売却がしづらいということ。転換社債は、通常の社債に比べて投資家に有利な金融商品です。そのため、社債と同じ金利を支払ったのでは発行会社の割に合いません。そのため、通常の社債に比べて金利が低くなることが多く、金利ゼロの場合もあります。
また、転換社債の条件は複雑で、各転換社債ごとに細かい条件が違うため、購入する際には細心の注意が必要です。少なくとも転換価額・転換可能期間は調べておく必要があります。また、転換社債は証券取引所での取引もされていますが、売買高はそれほど多くないことが多いです。そのため、いつでも好きな時に購入・売却できるとは限りませんので注意してください。
株式
- 株式とは、株式会社への出資のことをいいます。投資といえば株式投資というくらいポピュラーな投資手段です。株式は証券会社に注文を出すことにより証券取引所で売買することができます。そのため、非常に容易に購入・売却ができます。
- ところで、株式を購入する、ということは会社の出資者として、会社の一部を所有することを意味します。
そのため、株式を保有している人(株主)は配当を受け取ることができるのです。
また、株式は簡単に売却することが可能です。株価は日々変動していますので、株価が上昇していれば売却益を得ることができます(モチロン株価が下落していれば損益が生じます)。
- 株式投資による利益という場合、一般的にはこの株価変動による利益を指すことが多いと思われますが、電力・ガス株等は、配当利回りが高いため配当だけでも結構な投資収益を得ることができます。
さて、株式にリスクがあるとよくいわれる原因は、株価が変動するリスクがあるからです。株価は債券の価格とは比較にならないほど変動するため、リスクも大きくなるのです(ですが、株価が変動するからこそ大きな利益も得られるわけなので、リスクとリターンは表裏一体といえますね)
さらに、会社が倒産した際には株式による投資元本はほとんど返ってこないことが多いと思われます。というのは、株主に払い戻しを行うのは、他の銀行借入等を全て返済した後に余ったお金がある場合のみ行われるからです。倒産するような会社の場合、銀行借入でさえも払いきれない場合が多いため、株主に対する還元はほとんどないのです。
外貨預金
- 外貨預金とは、その名の通りドル、ユーロ等の日本円以外の通貨での預金をいいます。外貨預金は、様々な銀行で扱っていますので、大手銀行ならばどの銀行でも預け入れることが可能です。
- 外貨預金を行うにはまず、どの通貨で預け入れるかを決めなければいけません。主要なところではドル・ユーロ・ポンド・オーストラリアドル等の通貨があります。外貨預金からの収益をあげる方法は大きく挙げると2つあり、為替変動による収益と利息収入です。
- まずは、為替変動による収益を説明します。
例えば、ドル建ての預金を行う場合、ドルと円とを交換するための為替レートは日々変動します。そのため、たまたまドルが安い時期に外貨預金を行い、ドルが高くなった時期に外貨預金を解約すれば、それだけで利益が得られるのです。また、外貨預金は預金の一種ですから、当然利息を受け取ることができます。
- 外貨預金の利息は、原則として預け入れ通貨の利息水準に基づいて利率が決定されます。現状においては円が一番利息水準が低いため、どの外貨預金でも普通の預金よりは高い利回りが得られます。一方で、外貨預金をする上では為替変動による損失には注意しなければいけません。為替レートの変動具合によっては、元本割れする可能性もあります。また、外貨預金は原則として預金保険の対象外となりますので、銀行が潰れた場合にはお金は戻ってこない可能性があります。
最近ではFXと言う外貨預金に似た外国為替証拠金取引というのがあります。これは、ネットなどのFX比較などで簡単に始められることから主婦層などにも人気の資金運用です。
外貨MMF
- 外貨MMFとは、ドル、ユーロ等の日本円以外の通貨で、主に国債等の安全性の高い債券に対して投資を行う投資信託をいいます。外貨MMFは、外貨建商品を扱っているほとんどの証券会社で扱っています。商品性としては外貨預金とほとんど変わりませんが、外貨預金とは違うメリット・デメリットがあります。
- メリット
為替手数料が安いことが多い
外貨預金に比べて利率が高い
いつでも換金できる
為替差益が非課税 - デメリット
引き出すためには一旦円貨に両替しなければいけないことが多い
為替差損を他の所得と通算できない
- 単に資産運用だけを目的として取引を行うのならば、外貨預金よりも有利なことが多いため私は外貨MMFをオススメします。
- 外貨MMFの取引を行うには、外貨預金と同様にどの通貨で預け入れるかを決めなければいけません。主要なところではドル・ユーロ・ポンド・オーストラリアドル等の通貨があります。また、外貨MMFからの収益をあげる方法は、大きく分けて 為替変動による収益と運用利息による収入の2つがあります。
- ドルと円とを交換するための為替レートは日々変動します。そのため、例えばドル建ての外貨MMFを購入する場合、円が高い時期に外貨預金を行い、円が安くなった時期に外貨MMFを売却することで利益が得られます。また、外貨MMFは債券に対して投資を行う商品ですから、当然その債券からの利息を受け取ることができます。
- 外貨MMFの利息は、預け入れ通貨の利息水準に基づいて利率が決定されます。一般的に外貨定期預金に比較して利回りは高くなることが多いです。現状では円が一番利息水準が低いため、どの外貨MMFでも普通の預金よりは高い利回りが得られます。一方で、外貨MMFを購入する場合には、為替変動による損失には注意しなければいけません。為替レートの変動具合によっては元本割れする可能性もありますので注意が必要です。 また、外貨MMFで組み入れている債券の発行体が倒産した場合は元本が大きく毀損する可能性もあるので注意が必要です。
- ワラントとは、株式を購入することができる権利のことをいいます。例としては、ある会社の株式を2,000円で購入する権利(ワラント)を20円で購入する、といった例が挙げられます。
- このような場合に、この株式が2,500円まで上昇した場合、株式を2,000円で購入する(ワラントの権利を行使する)その株式を市場で2,500円で売却する、という取引を行うことにより、500円の利益を得ることができます。当初の投資額は20円ですから、差し引きで500円-20円=480円の利益を得ることができます。一方で、その会社の株価が1,500円に下がってしまった場合、ワラントの権利を行使する必要はありませんから、損失額はワラントを購入した20円のみとなります。これは、株式に比較すると非常にハイリスク・ハイリターンの商品になります。ここで、ワラントが通常の株式に比べてハイリスク・ハイリターンであることを確かめるため、実際に株式を購入した場合と価格の変動率を比べてみようと思います。
- 株価が2,000円から2,500円に上昇した場合
株式を購入した場合には株式の価値は2,000円→2,500円に値上がりするため25%の値上がり。
ワラントを購入した場合の価値は20円→500円となるため、2500%の値上がり。
となるので、ワラントを購入した場合のほうが値上がり率が大きくなります。
- 一方で、株価が2,000円から1,500円に下落した場合
株式を購入した場合には株式の価値は2,000円→1,500円に値下がりするため25%の値下がり。
ワラントを購入した場合の価値は20円→0円となるため、100%の値下がり。
となりますので、ワラントを購入した場合のほうが値下がり率も大きくなります。
- このように、ワラントはハイリスク・ハイリターン取引ではありますが、一方で投資額以上に損をすることはありません。
- そう言う意味では外貨FXや一般的なオプション取引よりはリスクは低いと言えるでしょう。
- 投資信託とは、投資の専門家に資金を預け、専門家に運用してもらう仕組みのことをいいます。投資信託と言っても様々なものがありますが、一般的には
- 株式投資信託
- 転換社債投資信託
- 債券投資信託
- 外国株式投資信託
- 外債投資信託
- オプション組込型投資信託
- 各投資信託のリスクの度合いは、組み入れている投資商品に応じて決まります。
- の分類に分けられます。そのため、主に株式に対して投資を行う投資信託の場合には、株式に対する投資リスク、外債に対して等しを行う投資信託の場合には、外債に対する投資リスクを負うことになります。
- なお、投資信託は、通常投資額以上の損失を受けない商品設計にすることが多いと思います。
投資信託のメリットは、元本が少額でも分散投資の効果が得られること、細かい投資対象は専門家が決めてくれるため、投資をするにあたり詳細な商品知識がなくても大丈夫なことです。
- 投資信託では、多数の人からお金を集めて、運用方針の範囲内で様々な金融資産を購入し、投資信託の運用資産としていきます。投資家は投資信託を購入することで、それらの様々な金融資産を少しずつ購入したのと同じ効果が得られるのです。通常、株式では10銘柄くらいに分散投資をすればいいと言われていますが、10銘柄を購入するためには数百万円の資金が必要になります。投資信託を購入することでもっと少額で簡単に分散投資の効果を得ることができるのです。
- また、投資信託では何に投資をするかは投資信託の運用責任者が決定します。投資家は、自分の投資方針と一致する投資信託を選びさえすれば、あとの細かい判断はすべて投資信託の側で行ってくれますので、詳しい商品知識がない人にも安心だといえます。
- 一方で、投資信託のデメリットとしては、手数料が割高になるという点が挙げられます。投資信託を購入・保有・売却する過程で様々な手数料が徴収されます。購入時は購入手数料、保有時は信託報酬、売却時は信託財産留保金などです。たとえば、今はやりの「ノーロード型投資信託」は、手数料無料をうたっていますが、これは購入時の手数料が無料なだけで、信託報酬はしっかりと徴収されます。このように、投資信託を購入することで様々なコストが発生しますが、少額から投資をしたい場合や、銘柄選びに自信がない場合には有用な投資対象であることに違いはありません。
- ETFとは、株式を組み入れた株式投資信託で、値動きが日経平均株価やTOPIX等の株価指数にほぼ一致するような
- 銘柄を組み入れた投資信託をいいます。
- ETFは、「Exchange Traded Fund(上場投資信託)」の略で、その名の通り証券取引所で売買することが可能です。
- 売買の仕方は通常の株式と全く同じです。証券会社に対してETFの売買注文を出すことで、証券取引所へ売買が取り次がれ取引をすることができます。
- ETFの最低売買価格はそのときの株価水準にもよりますが、大体10万円から20万円程度になっており、日本の株式市場全体に分散投資ができるため少額での取引に向いた商品なのです。
- ETFを売買する際には、投資信託でありながら販売手数料や信託財産留保金を支払う必要はありません。ですが、通常の株式と同様に証券会社に対して取引手数料を支払う必要があります。但し、ETFを保有している場合、信託報酬の支払義務は発生します。これが何を意味しているかというと、ETFを長期保有していると日経平均株価等の指数と比較して運用成績が落ちてくるということです。ETFは、指数連動型の運用(パッシブ型運用)を行うため、信託報酬は0.1%から0.3%程度と低率のことが多いですが、それでも信託報酬が発生していることに違いはありませんので、購入の際にはご注意ください。
- REITとは「Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)」の略称で、不動産を購入するための投資信託です。
- 投資家から集めた資金を用いて不動産を購入し、その不動産の賃料や売却収入により得られた利益は投資家に分配されます。通常、不動産を購入するためには億単位のお金が必要となります。ですから、普通の人には投資対象として不動産を購入することはできないと思いますし、なんとか不動産を購入できたとしてもリスク分散をするために複数の不動産を購入することはできません。
- そこで、REITでは投資信託の形を取ることにより各個人の投資金額を小さくできるのです。そして複数の不動産に対して投資をしているということにするのでリスク分散効果も得られる金融商品となっているのです。
- また、不動産の値動きは、株式の値動きと相関関係が小さいため、株式とREITに合わせて投資をすることでさらに広い意味でのリスク分散効果を得ることもできます。
- REITは、証券取引所に上場されており、通常の株式と全く同様に売買をすることができます。具体的には、証券会社に対してREITの売買注文を出すことで、REITの売買を行うことができます。 REITの売買価格帯は大体50万円前後になっています。不動産そのものを購入するよりは購入金額は安く、複数の不動産に分散投資ができるため、少額での取引に向いた商品となっています。REITを売買する際には、投資信託でありながら販売手数料や信託財産留保金を支払う必要はありませんが、通常の株式と同様に証券会社に対して取引手数料を支払う必要があります。但し、REITを保有している場合は信託報酬の支払義務は発生します。REITはアクティブ型の投資信託であるため、信託報酬率は1%前後とやや高いめの設定がされています。そのため、長期保有を考えている場合には注意が必要です。難しい言葉がありましたら、用語集でご確認下さい。
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Last update:2023/9/15